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ソニーLSIデザインの技術力を支える4人のキーマンに半導体業界とソニーLSIデザインの未来について質問した。開発の最前線に立つ彼らの目には、半導体デバイスの未来がどのように映り、設計者として、その未来をどのように切り開こうとしているのか。次世代のモノづくりを担う強い使命感と世界に挑む大いなる野望を語ってもらった。

Discussion Member

目黒哲正(Meguro Tetsumasa)
1995年入社。大学の学部時代に半導体の設計を学び、大学院では画像処理ソフトウェアを研究しており、ソフトウェア開発を希望して入社。配属された半導体の部門で、画像処理用のDSPの設計開発などを経験し、現在は設計部門に対して最適な開発環境を提供する部署のマネジメントを担当している。
小関賢(Koseki Ken)
1998年入社。大学では物性研究をしていたが、半導体設計の知識はほとんどなかった。しかし入社以来、ずっとイメージセンサの設計開発に従事しており、今ではイメージセンサに愛嬢とこだわりを人一倍感じている。最初に作ったCMOSイメージセンサがエンターテイメントロボット「AIBO」に搭載された時の感動を、今でも忘れることができない。
野崎雅章(Nozaki Masaaki)
1999年入社。大学では青色LEDの基礎技術を研究していたが、成果が体感できないもどかしさがあった。LSIの開発であれば、自分の努力が製品として結実し、顧客の声も聞け、開発期間毎に、完成する喜びも味わえると思って入社。現在はイメージセンサのデバイスに関連する応用技術の開発を担当している。
上村健一(Kamimura Kenichi)
2003年入社。ソニーLSIデザイン入社前に複数の会社で経験を積む。実はもともとソニー製品のファン。2社目で初めて半導体を製品に実装する仕事を経験し、半導体の道に進むのならソニーグループの会社と考え、ソニーLSIデザインに中途入社した。仕事はCMOSイメージセンサの画像の信号処理を担当している。

変化するエレクトロニクス市場と10年後をにらんだ半導体デバイスの設計

上村:
私は「情報の再利用」に注目したいと思っています。センサから情報を集めるだけでなく、その情報を利用した新たなセンシング技術をつくり出したり、情報をいかに、いろいろなものに応用できるようにするかを考える必要があるんじゃないかと思っています。
野崎:
私たちがつくっているイメージセンサは、すでに存在する製品をはるかに超えた、世の中に問うような製品に載せていくことになります。そのとき、上村さんの話にあったような、新たな価値観をどのように生み出すかが非常に重要になってきます。
小関:
単に予想するより、自分たちはどのようなものをつくりたいのかとか、こういうものをつくったら面白いのではないかということを、一生懸命考えるところからしか未来は見えてこないと思います。

製品ありきで進む刺激的なソニー流製品開発

野崎:
ソニーの製品を世界に届け、行き渡らせる使命があるということが、私たちの共通認識。市場には、いろいろな分野がありますね。自動車もそうですが、医療や農業もそうです。
小関:
ソニーで製品をつくっている以上は、さまざまなところで使ってもらいたいですね。多様な市場があるということは、半導体産業としても企業としてもすごく意味があります。

目黒:
ソニーLSIデザインも、ソニーも、製品やサービスが「まずありき」なんですね。半導体は、ひとつの部品でしかないですが、その半導体がなければ製品はできない。世の中の人たちはその製品に、何か新しいことや楽しいことを求めているはずです。逆に言えば、新しいことや楽しいことが生まれてきた道をたどると、私たちソニーLSIデザインでつくっている半導体につながっているわけです。
上村:
ソニーは商品サイクルがすごく早いので、つくったものが数か月後には、世の中にポンと発売されたりします。その瞬間を、会社全体で喜び合うという雰囲気がソニーLSIデザインにはあります。この会社のモチベーションは、そういうところにあると私は感じています。

未来志向の半導体デバイス開発に向けてソニーLSIデザインはどう変わるべきか

上村:
顧客対象を増やすことかなと思います。今は、ソニーという製品をつくるお客さんと一緒にやっていて、私たちの目はそのお客さんしか見ていません。本来であれば、ソニーのもっと先にいるエンドユーザーとつながりができないと、私たちの開発は次のステップには行けないと思ってます。
目黒:
そこまで意識して、半導体をつくっていくことは重要だと私も思います。エンドユーザーまでを意識したアイデアから企画提案ができて、エンドユーザーが望んでいることを、半導体で実現しなくてはという意識がうまれるのかなと。この半導体があるから、こういうことができるんだよという、半導体とエンドユーザーの希望がつながるイメージができます。
小関:
自分はもう、半導体をつくることだけにこだわらなくてもいいかとも思いますね。生業は半導体づくりですが、業務の幅はいろいろな方向に広がっていくのかな、とね。
野崎:
私たちがニーズを喚起できる世界もあると思いますね。例えば、イメージセンサの性能が10倍になって、同時に、電力が10分の1になったと仮定して、それが実現した瞬間に、イメージセンサの使われる用途とか、実現できるサービスとかは、今とまったく異なってくるはずじゃないですか。そう考えると、ワクワクしますよね。

夢の実現に向かって何が必要か。ヤル気は惜しみなく支えるソニーLSIデザイン

上村:
こうして議論していて感じるのは、10年後の自分や技術のこと、そして会社のことなどを考えたいとなると、それらをイメージする時間というのが必要かと思います。忙しいと、目の前にあることばかりに時間を使ってしまいがちで、考える時間がとれなくなってしまいます。
野崎:
当社は、半導体設計への投資や、いろいろなプロジェクトも含めて、ここ10年いろいろ組織横断的な取り組みをしていますよね。自主開発や研究開発などのように。なかには、「ほんとにできるの!?」と思うような大きな課題もありましたが、組織の壁を感じることなく、こなしてきた。みんな本当によくやっていると感心しますね。
目黒:
すごい人材も集まっているし、会社も社員を支えてくれますからね。
小関:
ほんとにいいアイデアであれば、会社がバックアップしてくれるし、いろいろやりやすい環境だとは思います。AIBOのときは、「1つのビジネスを立ち上げる」というくらい大がかりな開発になりました。それにもかかわらず、失敗しても続けさせてくれましたからね。

半導体業界を元気に、日本の「ものづくり文化」を支える企業に

野崎:
イメージセンサの用途というのは未開発なところがあるので、イメージセンサそのものにも未知数な部分が残っていると思っています。イメージセンサに何ができるかを追求して、技術がもっと世界に浸透していけるようにしたいですね。そうした提案をすることが私たちの使命ではないかとも思っています。
小関:
私は、イメージセンサに愛情を感じています。今後もその気持ちには、こだわっていきたい。そして今後は、イメージセンサをもっと広める仕事もしたいと考えています。さらには、半導体産業をもう一度「日本のものづくり」の中核に位置づけ、日本のものづくり産業全体を元気づけることができたらいいと思っています。
目黒:
まったく同感。自分がつくったものが製品になって店頭に並ぶと、ワクワクしますし、嬉しいんです。こういうワクワク感はなくなっちゃいけないはずだし、みんなにもっとそれを感じてほしいと思っています。日本の半導体産業は今元気がないように見えますが、新興国とのコスト勝負ではなく、ワクワク感で勝負することもできるはず。実際ソニーLSIデザインはそんな元気をもっている会社です。